「進路のしおり」巻頭言


皆さんこんにちは。今回は5月末に発行予定の「進路のしおり」巻頭言を紹介します。  
  
巻頭言 「主体的・探究的な学びが未来を切り開く」

 保護者の皆様におかれましては、日頃より本校の教育活動にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。本校では昨年度より生徒の皆さんが自らの興味関心に基づいて主体的に学び、夢や希望の実現を目指すキャリア教育の充実を図っており、担任、教科担任を中心にきめ細かな支援を行っています。また、進路指導部をキャリアサポートセンター(CSC)に、生徒指導部を生徒支援部に改称するなど学校全体で生徒の皆さんを支援する体制を整えています。

こうした取り組みの結果、3ヶ月間に及ぶ臨時休業にも関わらず、昨年度3年生の国公立大学合格者は過去10年間で最多となり、就職・公務員希望者についても全員が希望進路を実現しました。私立大学や専門学校希望者についても多くの生徒が第1志望校に合格しています。これもひとえに粘り強く学び続けた生徒の皆さんの努力と保護者の皆様のご支援のおかげと心から感謝申し上げます。
 今年度も昨年度の成果と課題を踏まえ、進路支援の一層の充実を図って参ります。

 冒頭にも述べましたが、本校では昨年度よりキャリア教育の充実を図っており、そのためにいくつかの大きな改革を行ってきました。
 1点目は、週あたりの授業時間を35時間から33時間に削減し、担任が面談を通してきめ細かに支援できる時間や生徒の皆さんが主体的に教科学習や探究学習、部活動などに取り組む時間を確保したことです。この結果、従来を大幅に超える102名の生徒が第1志望の国公立大学の総合型選抜入試と学校推薦型選抜入試に出願し51名(50%)が合格しました。また、一般選抜入試においても多くの生徒が3月実施の後期試験まで粘り強く受験に臨み48名(55%)が合格しました。    

 2点目は、探究学習の充実です。  
 昨年度、国公立大学の合格者が増えた大きな理由の一つに生徒の皆さんの探究学習への取り組みが高く評価されたことがあります。探究学習を通して大学で学びたいことや将来の夢について具体的に語れることが評価され、大きなアピールポイントになっているのです。総合型選抜入試で見事難関大学合格を果たした生徒は次のように述べています。  

 「私には高校生活において身に付けた大きな誇りがありました。それは探究活動です。私はこの探究活動で現代の社会問題に関心を持つ力やそれに対する解決策を考える思考力、論理的に考える力、プレゼン力など社会に出ても大切になる力を大きく伸ばせました。課題研究に真面目に取り組み、たくさんの発表会に参加し、様々な先生方から意見や講評を聞き、経験を積むことができました。経験は自分の誇りになり、この誇りが受験において大きな力になりました。」

 こうしたことを踏まえ、昨年度から2年普通科を中心に探究担当の教員を増やして支援体制を整えるとともに、修学旅行を探究学習を目的とする研修旅行(アメリカ・シンガポール・台湾・国内の4コース)に変更しました。研修旅行の実施にあたっては、現在海外への渡航が出来ないため、クラス毎に県内外の高校や大学、研究機関を訪問し探究学習の成果発表や意見交換を行うこととし、県内外の高校や大学とオンラインでポスター発表や意見交換を行い学びを深めました。
 生徒の皆さんには、自分自身が取り組んでいる探究学習が希望進路を実現し未来を切り開く上で大きなアピールになることを自覚しておいてほしいと思います。

3点目は、授業時間を削減したことで(加えて長期休業期間により)自ら主体的に学ぶ生徒が増えたこ とです。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長の星友啓氏は著書「スタンフォードが中高生 に教えていること」の中で科学的な根拠に基づき「手とり足とり丁寧に教えることによりかえって学びが 浅くなり探究心が削がれる」と述べています。昨年の3年生は否応なく自分で勉強せざるを得ない状況に 置かれましたが、逆にその状況が「自立した学習者」へと成長していく絶好の機会になったのではないか と思います。

 一方で、自ら主体的に学ぶことが出来ない生徒にとって授業時間の削減は学習機会を失うことにもなりかねません。この点に関しては、担任や教科担任が面談や個別支援を通して進路支援や学習支援を行っていくことにより、学習意欲の喚起と基礎学力の定着を図っています。  

 先に紹介しましたスタンフォード大学・オンラインハイスクールでは、「目標設定と自己評価の習慣を身に付けることが柔軟に学ぶ姿勢につながる」というデータをもとに目標設定と自己評価を重視した教育を行っています。(効果として、@集中力を高める。Aやる気があがる。B忍耐強く、より長く物事に打ち込める。C自分のスキルや引き出しから、関連するものを見つけやすくなる。の4点が検証されています)

 本校でもすでに、日記帳等を活用して週単位で学習目標を設定してセルフアセスメント(ふり返り)を行い、生徒の皆さんが柔軟にそして主体的に学びに向かう支援を行っており、スタンフォードの取り組みはその効果の裏付けとなるものです。これからもご家庭との連携を密にして生徒の皆さんの主体的な学びへの支援をきめ細かく行って参りますので、どうかよろしくお願いいたします。