国語科における探究的授業の試み


   若狭高校国語科は、伝統的に第二学年二学期には夏目漱石『こころ』の全文を読んだ上で、生徒自身に主体的に「課題」を設定させ、その解決の成果を論文にまとめるという単元をデザインしています。
平成25年度の授業内容については、八田・渡邉(2013) または、八田(2015)に詳しく述べられています。

論文の総括的評価に用いる評価基準表を以下のように作成し、生徒にも事前に提示した上で、論文を評価します。

  「問い」の設定  探究の過程と導かれた結論 ふりかえり 
5  その「問い」が、多様な解釈の可能性を持つ、小説全体、あるいはあるテーマに関する重要な「問い」であることを理解した上で、その「問い」に決めた理由や、決定に至った過程をわかりやすく、論理的に述べている。 テキスト全体から、一見関係がなさそうではあるが実は「問い」の解決に関連するような叙述までも拾い上げ、整理し、可能性のある複数の仮説について検討した上で、説得力のある証拠を用いて結論を作り上げている。 論文作成を通して学び、考えたことだけではなく、ノートに記されている、それまでの他者や自分の考えを引用・参照・言及して「ふりかえり」を書いている。特に、学習過程において自らが視点を転換したり視野を広げたりしてきたこと、自分の思考を何度も問いなおしていること、そして自覚的に探究を進めてきたことが具体的にわかる記述になっている。
4  その「問い」が、多様な解釈の可能性を持つ、小説全体、あるいはあるテーマに関する重要な「問い」であることを理解した上で、その「問い」に決めた理由や、決定に至った過程を述べている。 テキスト全体から、「問い」の解決に関連する叙述を拾い上げ、整理し、可能性のある複数の仮説について検討した上で、説得力のある証拠を用いて結論を作り上げている。 論文作成を通して学び、考えたことだけではなく、ノートに記されている、それまでの他者や自分の考えを引用・参照・言及して具体的な「ふりかえり」を書いている。
3  その「問い」が、多様な解釈の可能性を持つ、小説全体、あるいはあるテーマに関する重要な「問い」であることを理解しているが、その「問い」に決めた理由や、決定に至った過程がわかりづらい。 テキスト全体から、「問い」の解決に関連する叙述を拾い上げ、整理し、可能性のある複数の仮説について検討しているが、説得力のある結論には至っていない。 論文作成を通して学び、考えたことだけではなく、ノートに記されている、それまでの他者や自分の考えを引用・参照・言及して「ふりかえり」を書こうとしている。
2  その「問い」は、小説全体、あるいはあるテーマに関する重要な「問い」とは認めがたい。 テキストの特定の部分から、「問い」の解決に関連する叙述を拾い上げ、整理し、可能性のある複数の仮説について検討しているが、説得力のある結論には至っていない。 ノートに記されている、それまでの他者や自分の考えを引用・参照・言及して「ふりかえり」を書いているが、論文作成を通して学び、考えたことに関する記述が少ない。または、その逆である。
「問い」として書かれているが、テキストを参照しなくても答えを出せる、または、参照しても答えを出すことができないような「問い」である。 「問い」の解決に関連する叙述をほとんど用いずに結論を作成している。 「ふりかえり」を書こうとしているが、全体的に量が少ない。

 ◀スライド資料  ▶配付資料(PDF)
本校国語科・上原教諭が平成27年度の国語科研修講座の講師として、パフォーマンス評価の実践例を発表。
前年度の「『夢十夜』論を作ろう」で見えた課題を元に、ルーブリック評価を取り入れた授業を実施。

 ねらい①  研究発表会を行い質問力を伸ばす  
 ねらい②  ルーブリックによる評価の明確化・簡便化  
 ねらい③  探求課題を設定させるアクティブラーニング