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校長室より#5夏休み前集会挨拶

この7月3日に20年ぶりの新紙幣が発行されました。すでに手にした人もいるのではないでしょうか。新1万円札に選ばれたのは、明治・大正期に活躍した実業家の「渋沢栄一さん」です。渋沢さんは常に新しいことに挑戦し続けた人でした。第一国立銀行や東京証券取引所などといった多種多様な企業を設立・経営し「日本資本主義の父」といわれています。その日本の実業家のリーダーともいうべき存在であった渋沢栄一さんが大切にしたのが「論語」の一節でした。

それがこれです。

実は、これは若狭高校にある額なのですが、どこに掲げてあるか分かった人もいるかもしれません。

これは、大体育館の左前方上に掲げてある額の中に書かれたものです。また大体育館に行くときには見てみてください。

今日は、この字の意味についてお話をします。

 

「論語」には「子張、仁を孔子に問う。孔子の曰わく、能く五つの者を天下に行なうを仁と為す。これを請い問う。曰わく、恭寛信敏恵なり。恭なれば則ち侮られず、寛なれば則ち衆を得、信なれば則ち人任じ、敏なれば則ち功あり、恵なれば則ち以て人を使うに足る。」という部分があります。

「恭寛信敏恵(きょうかんしんびんけい)」の意味は、「恭(きょう)」礼儀正しく、丁寧に対応すること。「寛(かん)」他人の失敗を許し、広い心を持つこと。「信(しん)」互いに信じ合えるよう、約束したことは守ること。「敏(びん)」パッと行動し、明るく受け答えすること。「恵(けい)」出し惜しみせず、人に分け与えること。

それぞれの字には、このような意味があるのです。

この「論語」の一節には、理想のリーダーの条件として「恭寛信敏恵」と記されているのです。

 

この意味を学校場面に置き換えてみると、学校行事などでは実行委員、執行部といった皆さんのリーダーシップ、全校生徒の皆さんの理解と協力、がそれに当たると思います。皆さんは今後も行事や部活動などのあらゆる場面でリーダーになる機会がありますし、将来、社会や地域の中で誰もがリーダーとなる可能性があります。

この額の文字には、これから迎える新たな社会において、皆さんに「次世代を生きるリーダーにふさわしい資質と能力を磨いて欲しい」との願いが込められているのでしょう。

これからは、ぜひ今日の話を頭の片隅に置いて、体育館に入ったときには、この「恭寛信敏恵」をみて、それぞれの場面で、みんなのために自分ができることを考えて人間性を磨いて欲しいと思います。

 

それでは、夏期課外、家庭学習、部活動にと、量・質ともに充実した夏休みとなることを期待し、また夏休み明けに全員が揃って、皆さんの元気な笑顔に再会できることを楽しみにして、私からの挨拶とします。

校長 橋本有司

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