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校長室より #8 卒業式式辞

式辞

春の訪れを告げるかのように、木々の蕾も我先にと大きく膨らむ季節を迎えました。今日の良き日に、おおい町長、中塚寛様をはじめ、ご来賓の皆様方、並びにご家族の皆様のご臨席を賜り、ここに令和5年度第75回卒業証書授与式を挙行できますことに、心より感謝申し上げます。

只今、卒業証書を授与しました全日制245名、定時制6名、計251名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。ご家族の皆様におかれましては、心よりお祝い申し上げますとともに、今日までのご支援、ご協力に教職員一同、厚く御礼申し上げます。
卒業生の皆さんの高校生活は新型コロナウィルス感染症との戦いのスタートでしたが、昨年5月に5類へと移行となり、これまで制限されてきた学校行事や部活動、様々なコンテストが復活し、この最後の1年間は、皆さんの活躍をいろいろな場面で見せていただきました。本校の誇れる「探究」の授業では、「好きじゃないと探究じゃない」をテーマに様々な仮説検証の取り組みを通して学び続ける姿勢を身につけました。

九月の文化祭では、「さすが3年生」と感動するクラス企画を披露してくれました。部活動においても、日々の練習で自分の技術を懸命に磨き、後輩に対しても丁寧に教え導いている姿には感心しました。コロナ禍の制限の中、工夫して多くを乗り越えてきたその努力が、そして今ある環境でできることを精一杯しようというその思いが感動の場面を作り上げてくれたように感じます。

本校の校歌に、「自尊の誇り高く恃す」という一節がありますが、皆さんのこの3年間の取り組みは、まさにゆるぎない使命、つまり、目標をもって、立派に頑張ってきた「自尊」に値するものだと思います。
また、校歌には「心の羅針を護るもの」とあります。これから皆さんが進んでいく世界は、社会や職業の在り方そのものが大きく変化しようとしています。情報化やグローバル化といった社会的変化が進展し、AIに囲まれた生活を送ることになったとしても、最後に重要なものは人間性です。謙虚な気持ちで、様々な考えや価値観を受け入れ、他者と協働できる人間性こそが、多様な現代の諸課題を解決し、豊かな社会を作る基盤となります。誰もが予測できない時代だからこそ、皆さんには、高い志と意欲を持つ自立した人間として、様々なことに挑戦し、未来を切り拓いていってもらいたいと思います。

先日、JAXAと三菱重工業が開発したH3ロケットが昨年の失敗を克服し、打ち上げ成功を果たしました。そのロケット開発に夢を持ち、下町ロケットのモデルとなった植松電機社長の植松努さんは「思うは招く」という言葉を語られています。「思うは招く」とは、「何事も思い続け行動すれば実現できる」という意味です。何かを叶えるためには、まず自分が動く、そのことによって自分自身のうちでは確実に何かが変わっていく。それが、自分の興味・関心につながり、将来の目標や夢に繋がっていくのです。人によっては何回も何回も失敗するかもしれません。でも大切なことはそこから立ち上がることです。そして失敗から学べることもあるはずです。またそのような時には、この「思うは招く」を思い出し、失敗を恐れず新しいことや困難なことに果敢に挑戦し、夢の実現に向けて突き進んでいってください。いつまでも夢を追い続ける、一歩先を見て進んでいく、そんな人生を送ってほしいと思います。

まもなく北陸新幹線が敦賀延伸開業となり福井、若狭にとっては百年に一度の飛躍の時期といわれます。この大きな転換期を迎え、これからの未来に向け、大きく羽ばたいていく皆さんを応援しています。
終わりになりましたが、保護者の皆様にあらためてお祝いを申し上げますとともに、卒業生の皆さんの、ご健康とご活躍、そしてご多幸を、心から祈念いたしまして、式辞といたします。

 令和6年3月1日
福井県立若狭高等学校 校長 橋本有司

 

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