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校長室より #1 入学式式辞

 

式辞

 「順造門」まわりの桜がようやくほころび始め、多くの樹木の鮮やかな緑の葉が、ひと際眩しくなってきました。春爛漫のこのよき日に、PTA会長岩崎正洋様、定時制振興会会長田中宏典様、定時制育友会会長飛永荘八様さらに保護者の皆様にご臨席をいただき、ここに令和6年度福井県立若狭高等学校入学式を挙行できますことは、新入生はもちろん、私たち教職員、在校生にとりまして、大きな喜びでございます。

ただ今、入学を許可しました277名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学に至るまでの努力を称えるとともに、教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

保護者の皆様におかれましては、本日は誠におめでとうございます。心よりお喜び申しあげます。職員一同、安心で信頼される、魅力ある学校づくりに努めます。どうか本校の教育に対しまして、ご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

本校は今年度から5年間、文部科学省から第3期SSH・スーパーサイエンスハイスクールの指定を受け、地元地域や企業、県内外の大学と連携した探究活動を通して、生徒の科学的思考力・表現力、多面的に考察する力を育む先進的な教育活動を行ってまいります。 また、定時制では、家族的な雰囲気が漂う教室で、個に応じたきめ細かなカリキュラムを実施しており、そこには定時制ならではの学びを実践しています。全日制、定時制共に、夢が叶う学び舎として、教職員一同、愛情と情熱をもって学校づくりに取り組ませていただいております。

 

さて、本校の教育目標は「異質のものに対する理解と寛容の精神」を養い、教養豊かな社会人の育成を目指す、というものです。その伝統を引き継いでいくとともに新時代を切り開いていく皆さんに次の2つの言葉を贈ります。

1つ目は、この学校において、「リーダーシップを磨く」ということです。皆さんは将来、さらに加速していくAI時代やグローバル社会において、さまざまな課題に直面することになると考えられます。その時、皆さんはどう考え、どう対処していくのでしょうか。ある人は、課題を解決することができるリーダーが現れるのをひたすら待つかもしれません。ある人は、評論家となって、なぜこの課題が解決できないのかを語るかもしれないでしょう。しかし、そのような人たちばかりでは、問題は先送りされていくだけです。私は皆さんに、課題に向き合い、どうすれば解決できるのかを自ら考え、課題解決に向けて行動する人になってほしいと願っています。様々な価値観、異なる文化や慣習など、多様性が高まる中、解決策を探すことは容易ではありません。しかし、正解はなくても、その時点での最適値は必ず存在します。「異質に対する理解と寛容の精神」にあるように、多様性を理解し、自らの頭で考え、未来を切り拓いていく、リーダーシップを磨いて欲しいと思います。

2つ目は、「高い志を持つ」ということです。志とは人間が行動するための指針となるものです。本校入学はこれからの人生のスタートラインについたと言っても過言ではありません。高い志をもとに、3年後こうありたいという目標を掲げその実現に向けて挑戦してください。学業はもちろん、探究学習、部活動、生徒会活動など、挑戦する機会が広がっています。あらゆる機会を逃さず全力で取り組んでほしいと思います。文武両道に挑戦する過程において、同級生や先輩、先生方などと一生の宝物になる出会いがあると確信します。

 

ところで、本校卒業生には、伊藤忠商事株式会社元社長で現在特別理事の小林栄三様がいらっしゃいます。小林様は、本校でされた講演の中で、人口減少や少子高齢化する将来に備えて「バックキャスティング」の思考を深めることが大切であると話されました。バックキャスティングとは、「未来」を起点として、そこから逆算して「現在」を考えることです。今ある状態から実現可能な未来を創造する「バックキャスティング」の考えをもち、具体的な夢や目標である「志を高く」かかげ、未来を拓く「リーダーになるべく」、本校での3年間を充実させて欲しいと思います。

 

最後になりますが、本校は今年で創立127年を迎えます。表門の順造門は本校のシンボルであり、地域の人材育成を目的に小浜藩の藩校として建てられて以来、これまで3万人を超える卒業生を送り出してきました。新入生の皆さんが一日も早く若狭高校生としての自覚と誇りをもって学校生活を謳歌されますことを心から願い、式辞といたします。

令和6年4月7日

福井県立若狭高等学校 校長 橋本有司

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