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マイスターハイスクール

 令和4年度 マイスター・ハイスクール事業報告書

マイスターハイスクールについて

マイスター・ハイスクール(次世代地域産業人材育成刷新事業)は文部科学省の事業です。

第4次産業革命の進展、デジタルトランスフォーメーション、6次産業化等、産業構造や仕事内容は急速に変化しており、アフターコロナ社会においては、こうした変化が一層急激になることが予見される中、産業人材育成を担う専門高校においては、成長産業化を図る産業界と絶えず連動した職業人材育成システムの刷新・構築が喫緊の社会的要請になっています。
これに対応するため、文部科学省では、成長産業化に向けた革新を図る産業界と専門高校が一体・同期化し、地域の持続的な成長を牽引するための、絶えず進化する最先端の職業人材育成システムを構築し、成果モデルを示すことで、全国各地で地域特性を踏まえた取組を加速化させることを目的とした「マイスター・ハイスクール」事業を令和3年度より開始いたします。
先進的な取組を行う専門高校等をマイスター・ハイスクールに指定し、実践研究を行うもので、指定期間は原則3年間です。

(文部科学省HPより)

令和3年5月にマイスターハイスクール事業に参加する全国12校のうちの1校に指定されました。

管理機関 事業名 実施学科
学校設置者 産業界 地方自治体
福井県教育委員会 ふくい水産振興センター 小浜市 若狭地域のWell-beingを実現するために地域水産業の成長産業化に貢献できる人材育成のための水産海洋教育カリキュラム開発 水産

 

 

本校の取組み 中間成果報告

若狭高校は以下の5つを活動の柱にしています。令和4年10月の中間成果報告から本校のこれまでの取組を報告します。

1.若狭地域のWell-beingを実現できる人材育成のため、目標設定・カリキュラム改善・評価を実施する

【令和3年度】

  1. 関西大学 草郷孝好教授との打ち合わせ
  2. Ocean Well-being生徒実行委員結成(13名)
  3. Well-beingについての研修会
  4. Ocean Well-being生徒実行委員によるインタビュー調査
    *問い:よく生きるとは何か?
  5. 第1回Well-being検討会 ~私たちのWell-beingとは何か~
    *台湾暖暖高中級学校とのオンラインによる研究発表と3年間の探究学習後の学びについて互いに報告、質疑応答を実施

Well-beingについての研修会

【令和4年度】

  1. インタビュー調査結果を分析し、Well‐Beingになるための資質能力・知識技術の検討(目標の検討)
    *教員・地域住民・業界・Ocean Well-being生徒実行委員で検討
  2. 対話のスキルと理論研修・先進事例見学(新潟大・ハワイ大学)
  3. Well-being フィールド研修会(小浜市10月22・23日実施)
    *Ocean Well-being生徒実行委員・地域住民で検討
  4. 来年度マイスター学校設定科目に向けての検討

【今後の予定】

  1. Well-being 評価の実施
  2. マイスター学校設定科目実施
2.高大接続に向けた課題研究の強化、及び、学科設定科目の開設

【令和3年度・4年度】

  1. 高大接続会議
    *高大接続会議を毎年福井県立大学と開催。今後の方針を互いに確認する。
  2. 施設相互利用
    *先端増養殖科学科の実習に雲龍丸を使用。
    *海洋環境工学実習に雲龍丸を使用。
  3. 南川のアユの産卵場整備
    *田原教授主催→今年度は雨天中止
  4. 県立大教員による課題研究への助言・指導
    *多数の先生からご助言を頂いている。

アユの人工授精

【今後の予定】

  1. 大学教授によるデータサイエンス授業
    *統計の授業を福井県立大学 富永教授よりしていただく。(12月19日~23日)
  2. 施設相互利用
    *「水産海洋基礎」において、アユについての講義。また,大学の実習に雲龍丸を使用。
    *高校生がインターンシップの参加。
  3. 南川のサケ産卵観察会に参加
    *福井県立大学 田原教授主催の観察会に参加。
  4. 入試制度について
    *現在実施している事業やイベント等が評価の対象となる入試を導入するかどうかを福井県立大学内で検討して頂くことになった。
3.ICT等を用いた最先端水産技術を学び、課題研究等で水産関連商品開発を行う

【令和3年度・4年度】

  1. 「雲龍丸」にてICT機器を用いた最先端の沿岸海洋観測実習とデータ解析
    *CTD・クロロフィル・透明度・測深・流速・濁度・採泥
  2. 新商品の開発(2年目で3品目達成)
    *地上販売用宇宙食サバ缶詰製品化
    *海洋プラスチックを使用した「Ocean箸」販売
    *三方五湖寒ぶな缶製品化

若狭宇宙鯖缶パッケージ

Ocean箸

寒ふな缶ポスター

【関連ページ】

宇宙鯖缶地上化計画 | 福井県立若狭高等学校 (wakasa-h.ed.jp)

海洋プラスチックごみを使った塗箸の商品化 | 福井県立若狭高等学校 (wakasa-h.ed.jp)

寒ぶな缶 販売のお知らせ | 福井県立若狭高等学校 (wakasa-h.ed.jp)

4.台湾等と海洋問題及び水産海洋教育カリキュラムの共同研究を実施

【実施計画】

  1. 第1回Ocean Well-being発表会
    *本校海洋科学科3年生と台湾暖暖高中級学校の生徒がそれぞれの研究発表を行い、課題研究で得られた資質能力について共有。
  2. 第2回Ocean Well-being発表会
    *本校海洋科学科2年生と台湾暖暖高中級学校の生徒がそれぞれの研究発表を行う。

1、2を実施したのち、本校と台湾暖暖高中級学校の教員で以下のことを実施する。
*教員同士のOcean well-being発表会振り返り
*教員同士の授業互見
*国際交流を通して身につく力の分析
*目標設定、評価方法の検討

令和3年度 Ocean Well-being発表会

5.小中学校への水産海洋教育の推進

【実施内容】

  1. 小中学生体験航海(5~10月の平日)
    *29航海(中学校1航海):児童646名
  2. 一般体験航海 (夏休み中の土日に実施)
    *12航海:大人115名、児童41名
  3. 中学校教員を対象とした職業系高校見学会
    *9校、17名の中学校教員参加
  4. 小中学校との連携
    *10校の小中学校と課題研究発表等の交流

雲龍丸の操船体験

ドローンを操作する小学生

小学校への出前授業

小学校への出前授業

【今後の予定】

  1. 雲龍丸体験航海
    *アンケートを細かく分析し、実施内容を改善。
    *県民への一般体験航海実施広報の方法を更に広げる。
    (各市町の記者クラブへの周知、新聞、ケーブルテレビに加え、今年度は、各市町の公民館にチラシを配布した)
  2. 中学校教員に対する説明会
    *今年度はアンケートを実施し、来年度に反映する。
  3. 小中学校との連携
    *早期に計画立案

【関連ページ】

雲龍丸の安全管理 | 福井県立若狭高等学校 (wakasa-h.ed.jp)

若狭高校の特徴

1.運営委員会・事業推進委員会の在り方

① 運営・推進委員会への生徒参加

令和4年6月15日に実施した第1回運営・推進委員会では生徒60名も参加。
生徒が主体の事業として、①生徒と同じ目線に立ち、生徒の意見を受け入れ反映させる ②事業に関わってくださっている委員の方々の熱意が伝わる ことが狙い。

生徒が中心になって作成された本校の「スクールミッション」

スクールミッションにも「相互理解」や「新しいことへの興味関心」がうたわれている。

② 研究協働会議

2年生を対象に年3回実施している研究協働会議では運営・推進委員に生徒の研究、内容を見ていただき、アドバイスしていただいている。委員にも当事者意識が醸成され、支援の充実につながっている。委員は、生徒の取り組み内容を把握でき、第2回、3回の委員会で生徒の成長を実感することが可能となっている。

研究協働会議

③ 5つの事業内容を評価

11月の運営推進委員会で5つの事業内容についての評価を実施する。事業に関わるOcean Well-being発表会や研修会に参加してもらい、目標設定やカリキュラム改善に加わっていただいている。

5つ事業について各担当教員から内容を説明

2.教員の取組み姿勢

① 教員コミュニティ形成を意識

教員は毎回集合し、目標の共有、班での問題や進捗状況、今後のスケジュールを確認し、共通認識の下で活動している。

教員によるミーティング

② 生徒の主体性を重視し、支援の姿勢で生徒のアイデアを引き出す

ⅰ 目標「課題設定能力」に準拠した指導
ⅱ 地域との連携の設定
ⅲ 生徒の興味関心の明確化

③ 地域との関わり方

  1. 実務的な会議
    *生徒をどのように育てていくのか目標を共有した上で委員としても参加していただいている。
  2. 地元企業の問題を共有
    *生徒が研究内容を設定する段階で、地元の問題を深く把握するための支援が可能である。
  3. 小中学校の海の学びの拠点
    *本校生徒が地域の小中学校で出前授業を実施、総合や探究活動の指導者として支援を実施している。

小学校へ出前授業

④ 運営について

  1. CEO、産業実務家教員による進路指導
    *研究活動のみならず、3年生の進路指導も担ってもらっている。
  2. 地域の方々と次世代を育成することの目的を共有
    *学校統廃合時(平成25年)の委員として海洋科学
    科の目標設定から関わっていただいている関係が運営の土台となっている。

 

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